牛のゲップ(メタンガス)が
地球温暖化に影響?
牛、豚、鶏などの食肉と、植物性のお肉(ここでは大豆ミートを中心にご紹介)を環境負荷の側面から比較するとき、地球温暖化への影響は無視できないトピックです。
とくに牛の胃から発生されるゲップ(メタン)は、二酸化炭素の約25倍の温室効果があると言われています。日本の農林水産分野の温室効果ガス排出量は約5000万トンあり(2018年度)、そのうち牛のげっぷや家畜排せつ物から出る温室効果ガスは、約1370万トンと全体の27%ほどを占めるそうです*。
現在、研究者たちの手によってメタン排出の少ない細菌を持つ牛の研究や与える食事やサプリメントなどの検証も進んでおり、メタン削減の動きが進んでいるものの、環境にやさしい新たな選択肢として、大豆ミートへの注目はさらに高まるのではないでしょうか。
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* 参照:農林水産省「気候変動に対する農林水産省の取組」
https://www.maff.go.jp/j/kanbo/kankyo/seisaku/GR/attach/pdf/s_win_abs-71.pdf
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地球の水資源がピンチ?
「大豆」への期待
みなさんが普段食べているお肉は、その生産の過程でたくさんの穀物が必要になることは想像できるでしょう。ただ、その穀物生産に大量の水が必要になり、水資源の枯渇にもつながっている、と聞いたらいかがでしょうか。日本は水資源が豊富な国なので、なかなかイメージできないかもしれません。
世界的に見ると、家畜による水消費も環境にかかる大きな負担として議論になることが多いテーマです。たんぱく質を多く含む食品のひとつとして、牛肉1kgを生産するには約20,600リットルの水が必要になり、大豆1kgの生産と比べると約8倍の水消費となることがシミュレーションされています。大豆は1kg生産あたり約2,500リットルなので、豚肉や鶏肉と比べても半分ほどの水消費量で生産可能という計算になります。
前述した温暖化への影響と合わせて考えても、このまま畜産による肉食を増やしていくことは、地球環境に多くの負担をかけてしまうことになるでしょう。
こういったさまざまの観点から、大豆たんぱくを有効活用した「大豆ミート」は、環境にやさしい選択肢のひとつとして注目されているのです。
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- * 参照:環境省「バーチャルウォーター(VW)量 一覧表」 https://www.env.go.jp/water/virtual_water/vw_itiran.pdf
- * バーチャルウォーターとは:食料を輸入している国(消費国)において、もしその輸入食料を生産するとしたら、どの程度の水が必要かを推定したもの。